雨が降る日は誰か死ぬ
自宅が見えたときには、本当に涙が出るほど嬉しくてホッとした。


自転車を停めてすぐに中に入る。


まだ小雨のうちに帰る事が出来たから、レインコートも傘もなかったけど、そんなに濡れることもなかった。



「おかえり」


リビングのドアを開けると、母の美紗子が笑顔で声をかけてくる。


母の顔を見ると、心の底からホッとして、亜衣は無性に甘えたくなった。
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