雨が降る日は誰か死ぬ
「死んだってどこで?」



『ヒグッ、ヒグッ、竜祀川で溺れて』



「おぼ……」


西山は言葉に詰まった。



(嘘だろ?)


嘘であってほしかった。


茜の顔が頭の中に浮かぶ。


胸が苦しくて張り裂けそうだった。


間違いなく自分は、加藤茜に惹かれていたのだ。


死んだと聞かされて、改めてそう認識させられた。


受話器を持つ手が震える。


西山はこみ上げてくる何かを、必死で堪えようとした。

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