雨が降る日は誰か死ぬ
「いないと思います」


亜衣が返答に困っていると、茜が答えた。



「私、奈津とは色んな話をしましたけど、彼氏が欲しいって言うのは聞いたことあるけど、

彼氏が出来たって話は、一度も聞いたことありませんから」



「そうか……」



「じゃあヤッパリ、通り魔なのかしら?」



「止めないか姉さん?」


「え?」



「もう……事故ってことにしよう……。でなきゃ、俺も奈美恵もやりきれない」


奈津の父は、奈津の母の方に目配せする。




「そうね……」


オバサンはそれに同調して頷いた。

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