雨が降る日は誰か死ぬ
ずりずりと這い上がってくる女。


口は何かを呟いている。



「ぁ、ぁ、ぁた、た、た、たすけ、たすけ」



助けを呼びたいのに声が出ない。


亜理沙は生まれて初めて、腰が抜けた状態を経験した。



女がついに道路に上がりきって立ち上がる。



「ぃゃ、ぃや、ぃや、ぃやぁぁあ」


恐怖に震える亜理沙は、まったく動くことが出来なかった。

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