雨が降る日は誰か死ぬ
ふと前方に人がいることに気がついた。


雨なのに傘もささず。


それも一人ではなく数人。


ドンドン近づいて、相手の顔が見えるくらいになったとき、朋美はそれが生きている人間でないことを覚った。


血の気のない無表情の顔の少女たち。


ガクガクと身体が震え始める。


今更止まれない。このまま突っ切るしか……。


とっさに朋美は、そう判断した。
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