それでも、愛していいですか。

突然入ってきたあまりに衝撃的な情報に、頭の中の回路がフル回転で動き出す。

そういえば。

夏の花火大会の時、君島先生と一緒にいたのは、このシュンさんだったのでは?

あの時、女子からの誘いを断ったのは、彼女がいるからではなく……まさか、この二人は……。

だけど。

前に言っていた。

『両思いってやつが、僕には奇跡に思える』と。

あれはどういう意味だったのだろう。

それに、二股をかけられた、と怒っていたこともあったような。

「リンちゃん、ちょっと刺激が強かったんじゃない?奈緒ちゃん、固まっちゃったよ」

「さらっと言ったつもりだったんだけどな」

「言い方の問題じゃないでしょ」

「あのっ!」

二人は、突然声をあげた奈緒に目を向けた。

「も、もしかして、お二人は、お友達ではなくて……その……」

そこまで言うと、君島とシュンは顔を見合わせ。

「残念ながら、そういう関係ではないんだ」

「僕らは、ただの友達」

君島がにんまり笑う横で、シュンは目を伏せ苦笑したような気がした。

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