それでも、愛していいですか。

「普通に女に恋ができたら、苦しい思いなんてしなくて済むのにさ。しょうがないんだもん、だって男が好きなんだから」

「……え?」

「それでも好きは止められない。たとえ親に勘当されてもね」

そう言うと君島は苦笑した。

「そ、それって……」

「……うん、僕のこと」

あまりにさらりとカミングアウトされてしまい、言葉がなにも出てこなかった。

まさか。

まさか、まさか。

それは、つまり、やはり、君島先生はゲイ、ということ!?

ここにいる連中、ということは、このシュンさんも!?

あの奥に座っている男性たちも!?

……ということは、ここは、もしかして、ゲイバー!?

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