それでも、愛していいですか。

すると、阿久津は奈緒をひょいと抱き上げ、薄暗い寝室へ行くと、ダブルベッドの上にふわりと載せた。

かすかに潤んだ瞳で奈緒を見下ろし、指を絡める。

「先生……」

奈緒が消えそうな声で呟く。

「ん」

阿久津は穏やかな表情を奈緒に向け、優しく唇を重ねた。

阿久津の唇は、奈緒の耳を甘噛みし、優しく首筋を撫でる。

くすぐったいような、身体の芯がきゅんとなるような感覚に、吐息が漏れてしまう。

阿久津の手が胸を触れる。

奈緒は絡めている手にきゅっと力を入れた。

そして阿久津の手が、奈緒の服の下に入り込もうとした時、奈緒は思わず阿久津の手首をつかんでしまった。

阿久津が少し首を傾げると。

「……私、経験なくて」

消えそうな声で、目を泳がせながらそう言うと、

「大丈夫。俺に委ねて」

阿久津は優しく微笑んだ。

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