それでも、愛していいですか。
そして。
とうとう、どちらからともなく、お互いがお互いに吸い寄せられるように、二人はひしと抱きしめあった。
そこにお互いが存在することを確かめるかのように、強く、強く。
先生……先生……。
奈緒は、阿久津の背中に回した手にきゅっと力を入れた。
言葉なんて、いらなかった。
いつの間にか、奈緒の目から涙がこぼれ落ちていた。
阿久津はそっと奈緒を離すと、両手で顔を包み、切なげに奈緒を見つめた。
そして、ふんわりと触れるだけのキスをし、また憂いを帯びた目で見つめると、今度は情熱的な深いキスをした。
阿久津は、何度も角度を変え、窒息しそうなほどに唇を絡める。
熱っぽいキスに、思わず吐息が漏れた。
ずっと、こうされたかった。
ずっと、愛されたかった。