色彩恋愛
A組にいけば、偉そうに机に座っている高宮悠紀の姿があった。

「よう。」
「…まず、一つ聞きたいことがあるんだけど。」
「来て早々質問とはイイ御身分だな。」

(いやいや、あなたの態度の方が十分偉そうなんですけど…。)

と、綾はつっこんだ。

「…いつから、私が翔太のことが好きだって知ってたんですか?」
「さっき。」
「へ?」
「だから、さっき屋上で会ったとき。」

あのときに気づいたの!?
なんて人なんだ…。

「それで、俺の要件は一つだけ。」


日が沈み始めた教室は茜色で染まってく。

教室には二人だけ。

響きわたる、グラウンドからの部活動の声。

そして、廊下を歩く生徒の声。

騒がしい中で、その一言だけがハッキリと聞こえてきた。


「翔太のこと諦めろ。」
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