恋の境界線
 体が疼く。

 どうして……?

 こみ上げてくる気持ちを抑えきれなくて裕理を見上げると、彼の瞳も潤んでいた。

(なんで……そんな目で見るの)

 切ない気持ちが押し寄せてきて、とっさに私は裕理を抱きしめていた。

「里香……」
「何も言わないで!」

(本当に……私はどうしちゃったんだろう)

 シンとした部屋に2人……そのまま日が傾くまで体を寄せ合っていた。

 どこへ行くとも知れない心を抱いたまま――――。

END
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