嘘、鬼よ。













「お前、竹刀にしとけよ。」



それをみていた土方がすかさずそう言う。



「木刀の方が重たくて好きなんだ。」






他の人にも止められたけど、やっぱり竹刀は練習の時にしか使いたくない。



ただ1人、近藤勇だけはなにも言わず黙って微笑んでいた。





ほんとあの人には敵わないと思う。











「三冷防具、本当につけなくていいのか?」


「永倉も過保護だな。」



「いやいや、折角傷がなおったのにまた怪我しましたー、じゃ笑えねーよ?」



防具は嫌いなんだよ。

汗臭いし、汗臭いし、汗臭いし、汗臭いし。


あんなもんつけれるやつの気が知れない。
防具ってたまにしか洗えないし汗染み込んでるし、なんか知んないけどどことなく汚いから嫌なんだよ。



「おまえ絶対いま失礼なこと考えてただろ。」


「バレた?」

「うわっ、ひど!!」


いちいちオーバーリアクションだなぁ。



「しんぱっつぁん、しょうがないよ。
三冷はこういうやつだよ」



何だかんだ、一番歳が近くて、一番長い時間一緒にいた平助が知った口でいう。



「その言葉、聞き捨てなら無いな。」



「げっ」


「がっはっはー。
平助もバカだな。こういう場合は嘘でもおだてないと」


「おい原田。
ふざけんなよ?」



「はいい!!」




大きいからだを、小さくする姿は何だか可笑しい。










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