嘘、鬼よ。
「それよりもさ、
一番口が軽そうな原田に、1つ聞いても良いか。」
「何気に貶してるよな。
わかってるよ。お前そういう奴だって事は、ここ何日かでわかってるよ。」
芝居がかった涙を流す原田。
「じゃあ、聞くけどさ。
……今月あたりに暗殺の計画とか企ててる?」
………
一瞬だけだったけど、原田の肩が揺れた気がした。
それに、顔はもっと素直だ。
完全に焦っている。
こいつは嘘をつけないタイプだな…
「…聞いてたのか?」
あーあ。自分で言っちゃったよ。
てことはもう、芹沢暗殺計画は完全にたててあるんだな。
「聞いてない。
なに話していたのかも知らない。」
勿論私は剣がたけてるとは言え、まだ新撰組に入ったばかり。信頼されているとしてもさすがに暗殺チームに入れてくれないことは、分かっていた。
「じゃあ、何故!」
うーん。
君たちの行く末が手に取るように分かるからだよ、とは言っちゃけないことになってるみたいだからな。
というか、言おうとしてもあのときみたく声がでないはず…
ならば、しらばっくれるのみ
「『新撰組』という名前の拝命。『芹沢鴨』自身の素行の悪さ。
それをふまえて考えると容易に思い付くはずだが?」
嘘。
そんな推理はなからしていない。
わかっているのだから。
未来が。