3度目の結婚
「ところで、ひなた」

「なに?どうしたの真剣な顔をして・・・。」

「ひなたの実家に行ったら、挨拶と共に結婚の許しも
 もらおうと思っている。ひなたは、まだ結婚まで気持ちが
 付いて行ってないのは分かるが、俺は、今すぐにでも
 結婚したい。」

「えっ、結婚・・・・・。」

「そうだ。俺はひなたに、初めて会った時に、絶対に
 ひなたと一緒になりたいと思ったんだ。病院では
 ひなたと、あまり接触できなかったけど、何とか
 ひなたと接触しようと考えていた時に、姉貴から
 ひなたを紹介されて、これは運命だと思ったよ。」

「へっ、初めてって。私が事故に遭った時に・・・・?
 幸恵さんから紹介してもらってからじゃなかったの?」

「あーそうだ。運ばれてきた時だ。」

「でも・・・。もし幸恵さんの所で再会しなかったら、
 どうしてたの?」

「それは、職権乱用ってことかな?住所も知っていたし・・。
 まぁー付き合っているヤツがいても、振り向かせるつもり
 だったしな。」

「ちょ・ちょっと、それ犯罪でしょ?」

「んー、一歩間違うと犯罪だな!でも、神様は俺を
 犯罪者にはしなかった。だから余計に運命だと
 確信したんだよ。再会してから、すぐにデートに
 誘ったのも、とにかくひなたに近づきたかったんだ。」

「そうだったの・・・。でも確かに強引だったけど
 今、私は幸せだから、神様に感謝するわ。幸恵さんや
 海藤のご両親にも受け入れて受け入れてもらえているし。
 今すぐ、結婚は正直、怖いわ。でも次に結婚する相手は
 隆さんしかいない。と思っているの。」

「ひなた、俺と結婚してくれるか?」

「はい・・・。よろしくおねがいします・・。」

そう返事をしたひなたの目から、大粒の涙が零れた。
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