3度目の結婚
side TAKASI
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ひなたとの2度目のデートのあと、ひなたのアパートで
病院を辞めることを告げた。

もともと、親父達が小さな医院を夫婦でやっていた。

姉貴は、「医者はいやだ」と言って、好きな道に進んだが
俺は、親父達のしていることを、小さい時から見ていて
「俺も医者になる」と宣言し、頑張って医科大に入り
医者になった。

インターンの時、今の救命救急で尊敬できる先輩に
巡り合い、俺も、救命救急医を目指した。

親父達は、「お前のやりたいことをやれ」と応援してくれた。

ただ最近、親父達も年をとり、正月に実家に行った姉貴から
「そろそろ親父達に楽をしてもらいたい」とこぼしていた。

俺も、そろそろ医院を継ごうかと考えていた矢先に
ひなたに会った。

救命救急だと、思うように時間も休みも取れないのが
現状だ。

仕事は、やりがいがあるが、親父達の守って来た医院を
やはり継ぎたいと考え始めたのは、俺も年を取ったのかも
知れない。

ひなたに話をし、安心したら、急に睡魔に襲われて、
不覚にも寝入ってしまった。

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