世界が終わる時の景色
「お父様は、私の恋愛には干渉しないつもりなんでしょう?
お姉様はもう婿養子と結婚して長男も居るし、
私は政略結婚なんてしなくてもいいじゃないっ」
「ですが、莉麻様…!」
「もうやめなさい」
低いというよりは、威圧感があるドスのきいた声。
その声の主の姿を見つけた久下は、さっと頭を下げた。
「旦那様…!」
この強面の男が、莉麻の父親…
真城ファンドの当主だ。
「話は聞いていたよ」
「お久しぶりでございます。
何度かパーティーでお会いした事がありますね、真城様」