世界が終わる時の景色



「…そうです、けど…」


仕方ない、話を合わせてやろう。

そう思いながら、向き直った。


「お初にお目にかかります。

南十字家執事、篠山と申します。

莉麻様とは、学校で同じクラスでして」

「…ああ、そうなんですか。

これは挨拶もせず、ご無礼をお許しください。

真城家執事、総統括の久下(くげ)と申します」


丁寧に頭を下げた篠山に釣られたようで、
彼…久下の様子も落ち着いた。


「それで、お嬢様…この方を好きとは、どういう…?」

「そのままの意味です!」


莉麻は未だに、篠山の背中に隠れて離れない。



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