世界が終わる時の景色



一瞬動きを止めた彼女は、
ひらりと軽やかに机から下りた。


「先輩に尽くすのが仕事、だもんね」


先程の無邪気な笑みではない。

穏やかな微笑みでもない。

嫌味を込めた、そして尚且つ、自嘲的な笑顔。

言葉を失い立ち尽くした日向を尻目に、
彼女は資料室を出て行った。



―side 莉麻


資料室を出て、少しだけ歩いてから、
すぐに立ち止まる。



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