世界が終わる時の景色



その刹那、志乃の目は大きく見開かれ。

ぼろぼろと涙まで溢れ出す。


「…泣かないでよ」


小さくそう告げ、真白いブレザーの袖口で流れる涙を拭った。


「…どうして…」

「小さな頃から、僕の世界には志乃しかいないんだ。

志乃がいない世界なら、いらない」


ぎゅっと抱き締める。

かつて抱き合ったあの夜よりも、
その身体はずっと細くなっていて。


「好きなんだ、…愛してるんだ」

「ひな、たっ…」



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