世界が終わる時の景色
約束を叶えよう



「…志乃、デートしようか」

「…いい、の?」

「もちろん」


ぱぁっと、彼女にしては珍しい無邪気な笑顔。


「準備してくるわ!」


嬉しそうに駆け出す志乃の背中を、微笑ましく見つめた。



―あの夜、近いを交わしてから。

"その"準備のために、時間を割いてきた。

一度決めてしまえば、簡単な事だ。

そしてこのデートも、"準備"のひとつにすぎない。



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