世界が終わる時の景色



「日向、日向!プール!」

「はいはい」


楽しそうに水を弾かせて遊ぶ彼女。


「日向は入らないの?」

「僕はいいよ」


かくいう日向は、プールサイドのビーチベッドに横たわり、
難しそうな洋書を読んでいる。


「……」

「…志乃?どうしたの?」


ふと静かになった事を不思議に思い、
少し近づいてみる。


「疲れ…」


「疲れたの?」という言葉は、遮られた。



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