世界が終わる時の景色
「どうしてこんなに食材があるの?」
冷蔵庫いっぱいに入っている、さまざまな食材。
「用意しておいたんだよ。
昼食も夕食も、志乃が食べたい物を作れるように」
「…最後の晩餐、ってやつね」
ぽつりと呟かれた言葉。
「…僕らはこれからもずっと一緒だよ。
だから"最後"じゃない」
「…そうね。一緒になるために、終わらせるんだもの」
「そうだよ」
狂っている事なんて、ずっと前から知っていた。
それでも、構わない。
ふたりでいるには、これしかないという事もわかっているから。