世界が終わる時の景色



「篠山は…」

「はい」

「…いつか、誰かと結婚するのかしら」


遠くを見つめて、呟くように放たれた彼女の言葉。


「…いえ。私は、いつまでもお嬢様のお傍に」

「…そう」


微笑んだ彼女は、やはり寂しそうだった。



―・・・



「お帰りなさいませ、旦那様」

「ああ、ただいま」


学校から南十字家に帰ると、この家の主人……
志乃の父を迎える準備で大忙しだった。


「お父様!お帰りなさい」



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