世界が終わる時の景色
「…あ!ねぇお父様、篠山も一緒に食べていいかしら?」
「?!」
急に出された自分の名前に、目を見開いた。
「…日向か!随分大きくなったな」
「…お久しぶりです、旦那様」
「すっかり立派な執事じゃないか。
お前もこっちで食事にしよう」
「いえ、あの、私は…仕事が、」
「日向!早く」
手招きして自分の隣の椅子を引く彼女は、
悪戯な笑みを浮かべていた。
諦めたように肩を竦め、怖ず怖ずと椅子に座る。
「お父様、日向、素敵な男性になったと思わない?」
「ああ、本当に。学校でモテるだろう?」