世界が終わる時の景色
この家の主人が滞在して、一週間。
「もう帰ってしまうの?」
「ああ、忙しいからな。
今回はたまたま日本での仕事があったから帰って来れたが、
またしばらく帰れない。日向と仲良くな」
「ええ、お父様。お元気で」
空港まで見送りをして、学校に向かった。
「…篠山」
「はい、志乃お嬢様」
「学校に着いたら、話があるわ」
「…かしこまりました」
明らかに不機嫌な彼女はきっと、
この一週間必要最低限の接触しかしなかった事を怒っている。