世界が終わる時の景色



「…授業が始まる」

「行かせないわ」


旧図書館にある、窓際の古いソファ。

上に乗っている彼女を退ける事くらいは簡単だけれど。


「だからあれは、旦那様を警戒してって言ってるでしょ」

「へーぇ?」

「…何」

「だから今、その分してって言ってるのよ」

「…意味が分からない」

「日向不足なの」

「屋敷に戻ったらね」

「いーや」


するすると手慣れた様子で日向の制服を脱がせていく彼女には、
もう何を言っても無駄なようで。


「…ん…」


首筋に柔らかい唇の感触を感じれば、
大人しくされるがままになった。



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