世界が終わる時の景色
「もし今、世界が終わったら、って」
「あるわ」
「何を思う?」
「貴方と一緒に死にたい」
くるりと日向の腕の中で体を回転させた志乃は、
日向の背中に腕を回した。
「誰に咎められる事も無く、愛し合って死ねる。
最高の死に方だわ」
狂気的なその微笑みは、残酷で。
だけど日向にとっては、最高の告白で。
「世界が終わる時の景色はきっと、物凄く綺麗だって思うんだ。
その景色を君と見て消えていけたら幸せだろうな」
愛しそうに頬を撫でて見つめる。
「日向…」
少し背伸びをした彼女の唇が、日向のそれと重ねられた。