世界が終わる時の景色
「…どこまでも、飛んでいけたらいいと思わない?」
聞こえたのか聞こえてないのか、定かではないけれど。
彼女はすっと、白く細い腕を夜空へと伸ばした。
「鳥はどこまで飛んで行けるのかしら」
「…さぁ」
「自由でいいなって、いつも思うわ」
「…鳥にも鳥の世界があるからね」
「あぁ…自由じゃないかもしれないのね」
「うん」
「だけど、どこまでも飛んで逃げていく事は出来るわ」
「…羨ましいよ」
ぎゅっと、彼女を抱き締める腕に力を込めた。
「志乃、考えた事ある?」
「何を?」