世界が終わる時の景色
「失礼致します、篠山でございます」
コンコン、というノックの音と共に響いた声。
咄嗟に彼女の身体を離して、目配せする。
「…どうぞ」
志乃が言葉を発すれば、入ってきたのは見知った顔。
「お久しぶりでございます、志乃お嬢様」
「…ええ、久しぶりね。総統括」
志乃の父親の秘書であり、この屋敷の使用人の総統括。
そして、日向の父親。
「貴方が居るという事は、お父様もお帰りに?」
「いえ、私だけ先に帰って参りました。
旦那様が帰られるまでに準備があるので。
お話は伺っているかと存じますが…」
「…ええ。聞いてるわ」