世界が終わる時の景色
「南十字さん!!」
そんな会話をしながら校門をくぐっていた時、
響いた声。
「…何かしら?」
こういう事は珍しくもない。
一見は穏やかな笑みを浮かべている彼女はきっと、
心の中で舌打ちでもしているのだろう。
日向だけが、その笑顔の冷やかさに気づいていた。
もちろん、執成す事はしない。
事態をただじっと見守っていた。
「あの!!えっと!!…俺、一目惚れして!!
…付き合ってください!!」
「迷惑ですわ」
大声で、顔を真っ赤にして、ばっと頭まで下げる彼。
そんな彼に志乃は、ぴしゃりと言い放った。