世界が終わる時の景色



「ですから!一度お会いになるだけでいいと旦那様も仰って…」

「会うのも嫌です!」

「お嬢様!!」


背中に隠れ、必死に抗議する彼女…

真城 莉麻も、志乃と同じ状況なのだ。


「…っそれに私、この人が好きなんです!」

「?!」


莉麻が背中にしがみ付いているため逃げられずにはいたが、
まさかこの口論に自分が巻き込まれるとは思っていなかった。


「ま、真城さ…」

「ですがお嬢様、この方…南十字様の執事では?」


彼は、篠山が身に纏った執事服の襟に付いた、
南十字家の執事の印である家紋に気づいたようだ。



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