SWEET MELODY
初歌

君の存在


最悪っ…………

また文句言われた。

確かにあたしは下手
ですよ?


………だ・け・ど。

言い方にも
程があるっつーの!!






また頭にモヤモヤが
溜まる。


あたし、花澤柚夏。

当時 14。


ふつーの年頃?の中学生。


ガチャッッ

ドアノブが勢いよく下がった。


『おい!練習再開だ』


入ってきて早々、こんな
無愛想な言葉をかける


こいつ。

桐山葵。

隣の家にすんでる
一つ年上の馬鹿男。



まあ…幼なじみでも
ある………んだよね…


けど、あたしは
こいつが大っ嫌い。


人のことを見下すし。

口悪いし。

……完璧だし。

こいつは、業界にも
認められてる作詞家。


あたしが買うCDなんかも葵が作詞してる時も少なくない。


『……聞いてるの?』

高い位置からあたしを
見下ろす。

「……はいはいっ」

ため息を大きくついて
顔をあげた。

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