何よりも甘く切なく
「い、泉未?怖い顔してどうしたの?」


「あっ、すみません!!何でもありませんっ」


甘木先輩が不思議そうにオレの顔を覗き込んで来たのがきっかけで、我に返った。


危ない危ない…オレ何やってんだ。


今日はせっかくのデートなんだぞ?他の男に嫉妬して、不機嫌になってる場合じゃない。


きちんと笑顔で、甘木先輩と接しなきゃ。


「じゃちょっと早いけど、行きましょうか?先輩」


「ラジャー!」


オレの手は自然と甘木先輩の手を握り、先輩も握り返してくれる。


これだけでオレの黒くなった心は、簡単に元に戻るんだ。
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