何よりも甘く切なく
「さっきから何言ってるの?私3日前の事なら、一切気にしてないよ!?だから距離置く必要性なんて、全く無いって!」


微妙に瞳を潤ませて訴える甘木先輩の姿は、普通ならカワイイと思えるもの。


だけど今のオレの心に、甘木先輩の想いが届く事は…無かった。


「本当にすみません、先輩。弁当は暫く別々に食べましょう」


そう言うと、オレの左腕を握っていた甘木先輩の手をゆっくりと離して、背中を向けた。


そのまま空き教室の扉に行き、開けっ放しだった扉の縁に、片足を乗っける。


「い…ず…み………」


弱々しい声が後ろで聞こえた。
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