何よりも甘く切なく
あーーー…やっぱりサッカーはいいなぁ……楽しくて仕方ねぇ。


フフッと緩む頬を隠すみたいに、腕で汗を拭うオレ。


その時、先程オレにパスを回してくれた森内が、明るい声で叫んだ。


「泉未お前良かったなぁ!今のお前のゴール、甘姫が見てたぞ!」


「………えっ?」


甘姫って……昼休みにリエイが言ってた、3年の甘木 胡々愛って先輩か?


「ウソマジ!?甘姫どこだよ!!」


「ホラあそこ!烏丸先輩と仁志荻先輩と一緒に歩いてるじゃんっ!!」


そう言った森内は、ビシッ!と校舎の方を指差した。


………どれだよ。
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