夢を見る
 今は男性が女性並みにファッションやお洒落に気を遣う時代である。


 あたしもそういった事は知っていた。


 まあ、雄哉以外の男性と一緒に過ごしたことがあまりなかったのは事実だけれど、付けていたテレビの情報番組などで見て把握するのだ。


 社ではずっとパソコンに向かっているのだが、仕事だから仕方ないと割り切っている。


「友里」


「何?」


 朝食を取りながら話す。


「加賀美コンツェルンとの話は上司に言って断ったら?」


「そうはいかないわよ。ちゃんと課長がセッティングしてるし」


「じゃあ、もう予約キャンセルできないんだね?」


「うん。仕方ないわ」


 三十分ほどたっぷりと時間を掛けて食事を取り終え、食後歯を磨き、洗顔する。
< 177 / 815 >

この作品をシェア

pagetop