夢を見る
第32章
     32
 その週も週末が近くなると、一安心できていた。


 あたしも、うちの社の人間たちも、加賀美コンツェルンの関係者に嵌められているような気がしていたのである。


 ずっと気掛かりだった。


 だけど、今のところ、自社株の四割が買い取られただけで、直接的な損害は被ってない。


 株価の推移はパソコン上のチャートを使って見ている。


 成川は株担当だが、社長の加賀美も東都大や京帝大、阪王大など一流の国立大学を出た秀才たちを掻き集めて、社内を完全に固め、他社との競合には十分勝っていけるよう計らっているのだった。


 あたしも加賀美コンツェルンが仕掛けようとしている戦略が分かりかけてきたのだ。


 確かに不気味な感じがしていた。


 果たしてこれから何が起こるのか……?


 株関係のトラブルは大きい。


 特に大手の会社が仕掛けてくる株を使った手法は犯罪になりかねない。
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