夢を見る
第63章
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 ウイークデーは駆け足で過ぎ去っていき、また週末が近くなる。


 慌しさはあるのだけれど、平常心で乗り切っていた。


 あたしも雄哉以外、特に心の支えのようなものになってくれる人がいないと思っている。


 気にしてないのだった。


 人間はいつの時代でも自力で生きていくしかないのだ。


 そう思えば、多少のことは乗り越えられる。


 荒波に揉まれながら、この年まで生きてきた。


 今までずっとそんな状態が続いていたのである。


 確かに学生時代、難解な本などを読んでいる時、ふっと思うこともあった。


 これを読んで、何か意味があるのかなと。


 でも人間は絶対的に救済されることはない。


 そう思っていた。
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