夢を見る
「でしょ?珍しいわよね。秋なのにこんなに暖かいって」


「多分、一過性のものだよ。別に気にすることないって。自然と冷えていくから」


「まあ、そうだといいけど……」


 惑うのだ。


 普通十月にもなれば、冬の準備をする。


 だけど、今年はまるで違う。


 その日も扇風機で微風を送っていた。


「雄哉、夕飯作るけど、買ってる食材だけで済ませてもいい?」


「ああ。……俺も最近、外食はするんだけど、たくさん食べないんだ」


「そう?何かあるの?」


「いや。別にそんなわけじゃないけど、粗食にしててね。ライス大盛りとかも止めたし」


「じゃあ、通常の量で済んでるの?」


「うん。食事なんて所詮そんなもんだろ?俺もずっと外回りしてるけどね」
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