夢を見る
 彼が、


「考え事?」


 と訊いてきたので、


「ええ、まあ……」


 と適当に頷き、誤魔化す。


 その日は食事が済んでしまってから、ゆっくりし続けた。


 混浴して、体に浮いていた脂を洗い落とした後、性交する。


 交わりながら、思った。


 雄哉に対する愛おしさを。


 そして同時に明日から始まる単調な日常を。


 淡々としている分、逆に疲れるのだ。


 もちろん、残業まですれば、残業代が基本給に上乗せされるのだけれど……。


 お金に困ってない分、よかった。
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