甘え下手
百瀬比奈子のことを好きか嫌いかと言えば、好きの部類に入ると思う。
女としてどうこうしたいとかじゃなくて、むしろ愛しの室長様と上手くいけばいいんじゃないのって思ってた。
反発心から同情に変わったのかもしれない。
百瀬比奈子の臆病になる気持ちとか諸々、分かってしまう境遇にいるから、自分らしくもないおせっかいをしたくなる。
向こうからすれば、すっげ迷惑な話だろうけど。
自分の分身のような彼女をなんとか幸せにしてやりたいと思ってアドバイスしてんのに、「真面目な恋愛した方がいい」なんて指摘されたら、今度は飼い猫に手を噛まれた気分になったりして。
ふわふわと夢見てるような恋をしている彼女の目を、無理やりにでも覚まさせてみたくなったり。
「俺ってガキだよな……」
「そっか? ま、男はいくつになってもガキだよなー。それよか、やっぱ女の子呼ばない?」
――真面目に恋愛した方がきっと楽しいですよ。
「……いや、なんか気分じゃない」
「マジで? 最近そっち系の付き合い悪くね?」
あんな恋に恋してるような女の子の言うことが刺さってるなんて、自分でも認めたくないけど。
「やっぱ俺ってガキだわ」
女としてどうこうしたいとかじゃなくて、むしろ愛しの室長様と上手くいけばいいんじゃないのって思ってた。
反発心から同情に変わったのかもしれない。
百瀬比奈子の臆病になる気持ちとか諸々、分かってしまう境遇にいるから、自分らしくもないおせっかいをしたくなる。
向こうからすれば、すっげ迷惑な話だろうけど。
自分の分身のような彼女をなんとか幸せにしてやりたいと思ってアドバイスしてんのに、「真面目な恋愛した方がいい」なんて指摘されたら、今度は飼い猫に手を噛まれた気分になったりして。
ふわふわと夢見てるような恋をしている彼女の目を、無理やりにでも覚まさせてみたくなったり。
「俺ってガキだよな……」
「そっか? ま、男はいくつになってもガキだよなー。それよか、やっぱ女の子呼ばない?」
――真面目に恋愛した方がきっと楽しいですよ。
「……いや、なんか気分じゃない」
「マジで? 最近そっち系の付き合い悪くね?」
あんな恋に恋してるような女の子の言うことが刺さってるなんて、自分でも認めたくないけど。
「やっぱ俺ってガキだわ」