腐女子な漫画家に溺愛されチュウ!?
第二章

2−1





放課後、俺達はいつものように過ごしていた。

俺は今日はゴスロリ。


そんな平凡で普通な時間を過ごしているとほたるが。

「善哉って、よくおばさんは見るけどお父さんは居ないのか??」

器用にも尖った鉛筆を紙の上を走らせながら聞いてくる。

「あぁ、離婚したんだ」

そう言ったら。

「あ…ごめんな、」

だなんて珍しく気をつかって。

しかも走らせていた鉛筆を止めて潤んだ瞳で謝ってくる。

カワイイ!!!!!!

まるで仔犬のようで、抱きしめたくてでも壊れてしまいそうなはかなげな所がまたかわいくて、美しくて…!!!


じゃねぇや。

「いや、いいんだよ…俺も全然親父と会ってるし、離婚したのも何か勢いみたいな??」


そう言ったら、ふーんと言う。

そしてまた目線を下げて鉛筆を走らせる。

書いてくれた事に謎の安堵感を覚えて椅子に深く座り直す。


「おばさんがねぇ…そうは見えないけど」

俺も目線を下げて、身嗜みとかをキチンとする。


「あぁ見えて昔はツッパッてたらしくて、親父も尻に敷かれてたんだぜ」

そう言ったら、ほたるはまた驚いた。

「会ってみたいなぁ、善哉の親父さんと」


そう、ポツリと呟いた。

まぁ別に困るワケでもないからいいんだけど。


「止めといた方がいいぜ、めんどくせぇよ??」

いろいろ。


親父とお袋は本当にめんどくさい。

この二人がぶつかったらハリケーンが起こるからめんどくさい。

ほたるは何で??って聞き返すから、背もたれにもたれてふてぶてしく言った。

「妹も兄貴も親父の方に居るからな」


妹と兄貴は空手を習っていてよくタッグを組んで山口を泣かしていた。

俺はそんな二人がある意味怖かったし痛いの嫌だったからすぐ辞めた。

「本当か!?会いたいッ!!!!!」


目に宝石を埋め込んだみたいな目をされて頼まれたら断れないでしょーが。






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