ルピナス




噂話を聞いた弓月は、
なんとも不可解で微妙な因果だろうと戸惑っていたが、
どうせ他人事なのだから気にもしていなかった。



しかし、恐るべき皇真澄という男は、学園内を徘徊していた際、
学園が誇るこの美しい花園に目を付けたらしく、

花壇を画きたいと、直にただっ広い花園の花壇係である千石弓月に申し出たのだ。


特に不便もないと思い、適当にあしらったら、
それ以来当然のように簡単な絵画道具を持って、花園に居座るようになったのだ。



弓月も最初は何食わぬ顔でいつも通りに、
一人で広すぎる上美しすぎる花壇の世話を淡々とこなしていた。


しかし、
ハッと気がついたら手が止まっており、
皇真澄の下らない世間話や植物についての質問に答えていたのだ。



驚くことに、皇真澄という人間は他人に干渉するのが趣味なのか、一々弓月に話掛け、ちょっかいを出してくるのだ。



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