冷たい王子は私の彼氏 Ⅱ
佐野アキヒロ side
ベンチを離れて、非常階段に行き
一息ついて
携帯の画面を見れば
そこには、紛れもなく
"山口るり"
と表示されていた。
「はい。」
『おっそい!!出るのが!』
「ごめん。で?要件は?」
『そっちは、上手くいってんの?』
「……さぁ。」
『なによーそれ!ちゃんと、教えなさいよ!』
「別に…。ってか、るりこそどうなの?」
『こっちはねー♪今、まことと喫茶店♪』
「あっそ。」
なんだよ。寂しがってる彼女は放っておいて
そっちは喫茶店かよ。
人のこと、言えないけどな。