テノヒラ

生きる

「ママ、お腹空いたよ」

昔のあたしが枕に話しかけてる。

「明日になれば学校で給食を食べれるんだけど」

「あ、ノートも買わないと駄目だぁ」

「ママどうしよう?」

「どうしよう…ママ…」


声が震えてる…


あたしは立ち上がると
茶の間を覗いた。

お菓子やカップラーメンのゴミだらけの部屋

その中に昔のあたしは座っていた。

枕に一生懸命話しかけて
泣きながら笑ってる

人間はお腹が空いてくると弱くなる

この時、気付いたんだっけ。

そして、この時くらいから色々始まったのも覚えてる。

お腹が空いて、
ノートも欲しくて

万引きを始めた。


初めは近くのスーパーで
おにぎり
慣れてくると
お肉、魚、調味料。

親もいないし、掴まってもかまわない。

そお思うと、逆にバレなくて。

次に文房具。

洋服

化粧品。


いつの間にか万引き仲間もできて。

学校をサボっては万引きツアーなるものを繰り返し繰り返しやってた

別に食料さえあれば他は万引きしなくてもよかったのに…

万引きする事で現実から逃げる事を覚えていった


< 26 / 26 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop