うさぎの学習


ウチが意見した事によって、尚更、久美子の顔が暗くなる。


「その顔があかんねん、もっとニコニコしてくれな、
スマイルやスマイル、客は高い金を払って飲みに来てるのや、
そこんとこ、よう考えて」


「……はい」


ウチは、えりと顔を見合せ溜め息を溢した、
あぁあ~こらぁ、教育に時間かかりそう。



今日で2日目……
12時も過ぎた、今日はつぶれてないみたい、
そらぁ、昨日はあれだけ飲んで苦しい思いをしたから、ちょっとは勉強になったやろう。



久美子が来て3日目……
久美子にあだ名がついた。


カウンターで接客している時のことやった、3人組の建設関係の常連により命名された。


3人組の一人が言った。


「久美ちゃん、目が充血して真っ赤やで」


そう言えばそうや、久美子の目、白い部分が赤くなっていた。


「眼科に行って、診てもうた方がええのと違うか?」

と客が言ったら、透かさず久美子が返した。


「いえ……私、アルコールが入ると、目が充血って言うか、すぐ赤くなる体質なので、
これは眼科に行ってもどうしようもなくて……」




 
< 50 / 314 >

この作品をシェア

pagetop