―彼氏と彼女―
辛辣な言葉をつらつら並べて私をさらに落とす小林君。
そしてトドメの言葉が、
「今隣にいる女が本命だろ。誰がみても」
諦めろ、と私の肩に手を乗せた。
そうかもしれない。
私なんて、最初から好きになってもらえるはずないんだから。
だから、広瀬君は声もかけずに去っていったんだ。女の子と腕を組んで。
「私……広瀬君を名前で呼んだことないの」
さっきより少し離れた小林君に、少し俯いてポツリ話し始めた。
「彼氏の名前なんてーの?」
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