私の彼は勇者です◇TABOO◇
するとその時!

湖が割れ
巨大で獰猛なドラゴンが私達に向かって襲って来た。

「わっ……うわぁー!」
カイルは素早く、腰を抜かしながらも逃げ出し

私は残され
身動きひとつ取れず
ドラゴンの口の中に入る瞬間

背後から風が踊り
目にも止まらぬ動きで
ミルコがドラゴンの喉元に剣を突き刺していた。

鋭い声を上げ
ドラゴンが倒れる。

「大丈夫ですか?」

「ミルコ」

柔らかな金髪
優しい瞳
ひとつ下の魔法学校の後輩

「あ、すいません」
ミルコはドラゴンを退治した剣をまた振り上げ
横を通るスライムを斬りつける。

「今ので百匹目なんです。百匹倒したら、先輩に告白しようと思ってました」

あらためて
私の足元に膝を下ろす。

「僕と一緒に旅に出て下さい」

私はうなずき
彼の胸に飛び込むと
さっき倒したスライムが
ピカビカ輝く
立派な剣に変化した。

「百匹倒すと、超レアアイテムに変わるんですよ」

ミルコは笑って私の頬にキスをし、私も心から微笑んだ。


【完】
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