32回、好きって言うよ。



振り向くと、河合先輩と翼先輩。



「あっ、先輩♪」って笑顔になる美紅。


そしてあたしは河合先輩の隣の彼に夢中だ。




「やっぱ馬鹿だったんだ」


なんて言ってくれちゃうけど、翼先輩と話せたことが嬉しい。




「あっ、じゃあさ、翼に教えてもらえば?勉強」



翼頭いいし、と言って翼先輩の方を見る河合先輩。





「い、いいですよ!
…これ以上、迷惑は……」



風邪ひいたり、映画館で号泣したり、迷惑をかけすぎているあたし。


これ以上迷惑かけて嫌われたくない。




「別にいいけど」


「いいんですかっ!?」



予想外すぎる返事に、落としてしまったカフェオレのペットボトルが転がった。



それを拾って渡してくれた翼先輩は、



「明日の放課後、図書室集合」



って言って歩いていってしまった。



明日は授業が終わるのが早いから、教えてもらえる時間が長い。




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