彼と彼女の場合
「あっ…すみません!」

とりあえず謝って担任の先生の元に行く。

「村野さん?どうしたの?」

「すみません!私、帰ります!」

「えっ?まだ帰れないよ!どうしたの?」

「弟が学校で熱出したらしくて、母は仕事で連絡つかないし、私が行かないと弟は帰れないんです!」

「他に代わりに行ける人はいないの?」

葵でだめなのに夏樹はもっとだめだろうし、おじいちゃんは仕事だしおばあちゃんはそう簡単に動ける体じゃないし…。

「すみません、誰もいなくて…」

「そう…わかったわ。ちょっと待ってね」

そう言うと先生は校長先生の元に行って何か話しているようだった。


「村野さんお待たせ。もう単位に関わるところは終わってるし事情が事情だから先に帰っていいよ」

「ありがとうございます!」

「私が駅まで送るから電車で帰れる?」

「大丈夫です!ありがとうございます!」

< 78 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop